2025年2月6日(木)実施
地域との連携が未来をひらく
〜発達障害のある子どもたちの育ちを支えるために〜
滋賀県社会福祉協議会様よりご依頼をいただき、「発達障害の子どもとの生活〜様々な人たちと共存しながら社会で生きるために〜」というテーマで、県内の主任児童委員の皆さま約300名に向けて講演を行いました。
講演終了後、主催者の予想を上回る100枚以上の質問用紙が寄せられ、その一つ一つに真摯な関心と温かなまなざしが込められていたことに、私は胸が熱くなりました。
内容はとても温かく具体的で、「地域にいる困り感を抱える子どもたちに、どうすればより適切な関わりができるか」「保護者の心理的な負担にどう寄り添えばよいのか」といった前向きなご質問が多数見られました。
加えて、「これまで発達障害特性は理解していたつもりだったが、保護者の内面までは想像が及んでいなかった」「保護者の生の声を聞けてよかった」といった感想も多く、発達障害に対する理解の深まりを感じる機会ともなりました。
私自身も、発達障害のある子どもを育ててきた立場です。振り返れば、最も子育てに困難を感じていた時期に、地域の方へ悩みを相談しようとは考えもしませんでした。むしろ、公園などで我が子がうまく遊べなかったり、他の子にちょっかいを出した際、周囲の冷たい視線や「しつけができていない」といった心ない言葉に、心を痛めた経験の方が多く残っています。
当時の私は「地域には理解されにくい」という思い込みを強く抱いていたのだと思います。
しかし、今回の講演で児童委員の皆さまが見せてくださった反応は、まさにその認識を覆すものでした。葛藤を抱える保護者や子どもたちに対して、何とか力になりたいと真剣に考え、関わろうとしてくださっている方々が、地域には確かに存在するのです。
もちろん、発達障害に関する正しい理解が十分に浸透しているとは言い切れません。それでも、温かく歩み寄ろうとする方が身近にいる可能性を知ることは、保護者にとって大きな希望となります。
地域における理解の促進は、子どもたちの「暮らしやすさ」や「安心感」に直結します。だからこそ、私たち保護者も、自らの経験や思いを社会に伝えていくことが、未来をひらく一歩になると強く感じています。
一人ひとりが少しずつ声を上げ、歩み寄りを重ねていけば、地域はきっと、子どもたちの心強い味方になってくれる——そんな希望を持てた講演の一日となりました。