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【インタビューVol.3】勉強と進路について〜通信制高校という選択肢〜

ここに通う子たちの勉強は、どんな感じですか?親御さんからは勉強のニーズはありますか?

 

朝倉:ここではその子が自分らしく過ごせればいい、というスタンスを伝えています。まずは心の安定が一番で、子ども自身が学校の勉強のことを気にするタイミングで始めましょうと言っています。

 

例えば、中学校に通っていない子が「中学校に通いたい」という気持ちが芽生えたなら、そのタイミングで「じゃあ、中学校に戻って勉強が全然わからないというのは嫌だよね」と話し合い、どうしていくかを親御さんも交えて一緒に決めていきます。

 

自分から学びたいと思うタイミングを待つことが大事なのですね。ここに来ている子たちの中学校以降の進路はどんな感じなのですか?

 

朝倉:ほとんどの子は通信制の高校を選択すると思っていますが、京都には不登校向けの公立校が2校あるので、そこも含めて一緒に進路を考えていく予定です。

 

―親御さんはできれば通信制でない高校に行くことを望んでいませんか?

 

朝倉:そういう方もおられますが、そんなときは全日制高校1校につき3割の生徒が中退している話をしています。高校や大学のミスマッチは、今の若者の中では大きな課題になってきていますので。

 

 

最近では、不登校に関係なく、あえて自分から特色のある通信制の高校を選ぶ子も増えています。例えば勉強にプラスアルファで専門的に学べたり、一方通行の授業ではなく対話型の授業だったり、いろんなスタイルの学校があります。声優やダンス、eスポーツとか、いろんな学科があります。

 

おもしろいですね!授業はどんな感じなのでしょうか?通信制というからにはオンラインで学ぶのですか?

 

朝倉:学校にもよりますが、ほとんどが週1〜5日で、その子の状況に合わせて通学日数が選べます。通学が難しければオンラインで受講します。

最近の通信制高校は、担任制のところもあったり、カウンセリングや面談などでサポートしてくれたり、発達障がい児のサポートができる先生や、カウンセラーが在籍している学校も多いです。

また、就職へのサポート体制も充実している学校も増えてきています。

 

通信制と聞くと、学校に行かないことが前提だと思っていましたが、通学もするのですね。そうなると一般の高校と何が違うのでしょうか?また、卒業後の進路はどんな感じですか?

朝倉:学校によって授業の難易度も、授業スタイル、テスト形式も異なります。学校行事やクラブ活動の有無もあります。小中学校の内容から復習してくれる学校も多いですし、易しい内容から超難関大学受験向けのカリキュラムもあり、それらを自分で選べることが大きな違いだと思います。

高校卒業後は就職する子もいますが、自分に合った学び方で学力や学校評価が高くなった子たちは公募推薦などで有名大学へ進んでいる場合もあります。

 

―推薦で大学進学??そんな道もあるのですね!

 

私のように、こんな選択肢があるなんて知らない親御さんが多いのではないでしょうか。改めて情報って大切ですね。知ることで未来が開けることもたくさんありますよね。 

お子さんの不登校などで悩んでいる親御さんが、ご自身が住む周辺で朝倉さんのような方に繋がり、学校だけではない居場所があるってことを知ってもらいたいですね。

そして、勉強や将来の進路についても、たくさんの可能性があるということを知ってもらうきっかけになればいいですね。

 

朝倉:そうですね。

「不登校の子どもを、とにかく居場所に行かせたい」という気持ちよりも、親御さんが「居場所と繋がりたい」と思う気持ちの方が大事だなと思います。

「くらら庵」みたいな居場所では、親の会もしていることが多いので一度気軽な気持ちで見学や相談をしてみてください。

 

―今日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。